「厚生年金基金制度廃止」報道に関しての「年金なび」としての見解
平成24年10月01日
年金なび事務局長
9月28日に各報道機関より「厚生年金基金制度廃止」と報じられ、同日に開催された厚生労働省の「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する当区別対策本部」において、
厚生年金基金の代行制度については、一定の経過期間をおいて廃止する方向で検討することが決定されました。
今回の報道機関の記事の内容及び厚生労働省の見解は廃止の方向で検討するとの報道であり、すぐに厚生年金基金制度を廃止するとのことではありません。
厚生年金基金制度廃止のための法改正のプロセスは、これから、社会保障審議会年金部会に専門委員会を設置して検討し、その検討結果を踏まえて来年の通常国会に厚生年金保険法の改正案を提出するスケジュールで進めるとの決定ですが、通常国会に厚生年金保険法の改正案を提出する場合、そのときの内閣による閣議決定が必要となります。
従って、現在のところ判明していることは厚生年金基金の代行制度を廃止の方向で検討するとのことだけであり、厚生年金基金制度を今後どのようにしていくかについては、今後の専門委員会の検討結果をみなければ不明であり、現時点では何もわかっておりません。
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ちなみに、厚生年金基金制度に対する各党の考え方は、民主党はAIJ問題が発覚した時点で、党内にプロジェクトチームを発足させて厚生年金基金制度の廃止をいち早く決定しておりますが、自民党や公明党は厚生年金基金制度を存続する方向の立場に立っております。
仮に、厚生年金基金制度を廃止することに決定した場合でも、厚生年金基金が国の年金を一部代行している代行部分を廃止して、国が引継ぐということであり、厚生年金基金に未加入の方と同じ年金が支払われることになることになります。
また、厚生年金基金の加入している方のために、事業主が原則として全額負担している上乗せの年金部分については、企業年金に移行できるような措置を講ずることを検討するとなっています。
いづれにせよ、厚生労働省の特別対策本部の決定は、今すぐに厚生年金基金制度を廃止するとのことではなく、これから厚生年金基金制度を廃止するかどうかを検討するとともに、廃止となった場合においても一定期間をかけて廃止していく方向していくとともに、廃止の場合の年金の取扱いや年金資産の積立不足をどうするか検討していくという内容になっています。
「年金なび」事務局では、今後ともこの問題を注視し、厚生労働省等による専門委員会の経過や公的な発表があり次第、皆様にお知らせさせていただきます。
ちなみに、厚生労働省の「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する特別別対策本部」で検討された内容や資料については、年金なびの「
トピックス」に掲載されておりますのでご覧願います。
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「厚生年金基金制度廃止」報道に関しての「年金なび」としての見解(2013/04/02)
11月2日付報道の「厚生年金基金制度廃止」に対する「年金なび」としての見解
平成24年1月21日 政権交代による厚生年金基金を取り巻く環境
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