TOP>個人年金制度>国民年金基金>制度のしくみ
【制度のしくみ】
(出典:全国国民年金基金ホームページ「国民年金基金連合会」より)
《国民年金基金制度の沿革》
『国民年金基金制度とは』
- ■制度の目的
- 国民年金基金制度は自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者が、老後の所得保障の充実を図るために、任意で加入する制度であり、齢基礎年金に上乗せする第一号被保険者のための公的な年金制度である。
国民年金に上乗せして厚生年金に加入している会社員等の給与所得者と、国民年金だけにしか加入していない自営業者などの国民年金の第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じる
この年金額の差を解消するための自営業者などの上乗せ年金を求める強い声があり、国会審議などを経て、厚生年金などに相当する国民年金基金制度が平成3年5月に創設された。
これにより、自営業などの方々の公的な年金は「二階建て」になった。
会社員の年金制度は、1階=国民年金(老齢基礎年金)と、2階=厚生年金(老齢厚生年金、企業年金等)の2階建となっている。
しかし、自営業やフリーラン など国民年金の第1号被保険者の方には1階部分しかない。国民年金基金に加入することで、2階建てにすることができる。
- ■制度の設立形態
- 国民年金基金には、「地域型国民年金基金」である全国国民年金基金と職種別に設立された3つの「職能型国民年金基金」がある。
- ・「地域型国民年金基金」の全国国民年金基金(※)については、国民年金の第1号被保険者であれば住所 や業種は問わず加入できる。
- ・「職能型国民年金基金」については、基金ごとに定められた事業または業務に従事する国民年金の第1号被保険者の方が加入できる。
- ※全国国民年金基金は、2019年4月に全国47都道府県の地域型国民年金基金と22の職能型国民年金基金が合併し、設立された。
- ■国民年金基金制度の経緯
- ●平成元年 厚生年金保険法改正
- 地域型国民年金基金制度および新基準による職能型国民年金基金制度の導入
- ・地域型国民年金基金の設立の要件都道府県ごとに各区域内に住所を有する1,000人以上の者で設立
・職能型国民年金基金の設立の要件同種の事業または業務に従事する3,000人以上の者で設立
- ●平成3(1991)年4月 国民年金基金制度の施行
- ・地域型国民年金基金が全国47都道府県で設立(5月)
・職能型国民年金基金を25の業種で設立(5月より順次)
・東京都国民年金基金をはじめとする基金が発起人となり、国民年金基金連合会が設立(5月30日)
- ●平成6(1994)年 第1回財政再計算
- ・予定利率の見直し
・C型年金の廃止(平成7年4月施行)
- ●平成6(1994)年
- ・年金給付体系を年単位から月単位に変更(4月)
- ●平成11(1999)年 第2回財政再計算
- ・予定利率の見直し
・男女別掛金の設定(平成12年4月施行)
- ●平成21(2009)年 第4回財政再計算
- ・死亡率の見直し
・給付額、受給期間の小口化(平成21年4月施行)
- ●平成25(2013)年 改正
- ・加入対象者の拡大
・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者についても加入が可能となる(平成25年4月施行)
- ●平成31(2019)年 改正
- ・全国国民年金基金が設立(平成31年4月施行)
加入員の皆様や受給者の皆様の利便性の向上や事業運営基盤の安定等を図るため、平成31年4月に全国47都道府県の地域型国民年金基金と、22の職能型国民年金基金が合併
《国民年金基金の加入者》
『国民年金基金への加入』
- 日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生などの国民年金の第1号被保険者および60歳以上65歳未満の方や海外に移住されている方で国民年金の任意加入されている方が加入できる。したがって次のような方は加入できない。
- ・厚生年金保険に加入している会社員の方(国民年金の第2号被保険者)
- ・厚生年金保険に加入している方の被扶養配偶者の方(国民年金の第3号被保険者)
- 国民年金の第1号被保険者であっても、次の方は加入できない。
- ・国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む)※されている方
- ・農業者年金の被保険者の方
- ※法定免除の方(障害基礎年金を受給されている方等)が「国民年金保険料免除期間納付申出書」を年金事務所に提出した場合、国民年金保険料の納付申出をした期間は加入することができる。
- ※産前産後期間の免除をされている方も国民年金基金に加入することができる。
『国民年金基金の加入資格を喪失』
- 国民年金基金への加入は任意であるが、付加年金を代行した公的な年金制度のため、加入後は途中で任意に脱退はできない。
- ●資格喪失をする場合
- 国民年金基金に加入した方は次のいずれかに該当したとき加入資格を喪失する。
- ・60歳になったとき
- ※海外に転居し国民年金に任意加入されている場合を除く
- ・65 になったとき(国民年金に任意加入されている方)
- ・会社員になったときなど国民年金の第1号被保険者でなくなったとき(海外に転居したときを含む)
- ・国民年金の任意加入被保険者でなくなったとき
- ・該当する事業または業務に従事しなくなったとき(職能型基金の場合)
- ・国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む)されたとき※
- ・農業者年金の被保険者になったとき
- ・加入者本人が死亡した場合
- ※法定免除の方(障害基礎年金を受給する方等)で「国民年金保険料免除期間納付申出書」を年金事務所に提出し、引き続き国民年金保険料を納付する場合は加入員資格の喪失にはならない。
- ※産前産後期間の免除をされた場合は加入員資格の喪失にはならない。
- 上記以外の理由では国民年金基金の加入資格を喪失することはない。
加入資格を喪失した場合、基金に支払った掛金は途中で引き出すことはできないが、 基金または連合会から、将来年金として支給される。該当する事業または業務に従事しなくなったとき(職能型基金)に加入資格を喪失した場合、加入資格のある国民年金基金に引き続き加入すると従前の掛金で加入できる特例がある。(3ヶ月以内に手続きをすることが必要。)
また、海外に転居したときは、国民年金基金の加入員資格を喪失するが、引き続き国民年金の任意加入の手続きを行うとともに、引き続き国民年金基金に加入する場合は、従前の掛金で加入できる特例がある。(国民年金基金の加入手続きは3ヶ月以内に行うことが必要。)
『国民年金と国民年金基金との関係』
- ・国民年金基金に加入した方は、国民年金本体の保険料を滞納した場合、その滞納期間に対する基金の年金給付は受け取れない。国民年金の保険料は2年間遡って納付できるので必ず納付をされたい。(国民年金本体の保険料を滞納した期間分の国民年金基金の掛金は返金される。)
- ・国民年金基金に加入した方は、国民年金の付加年金の保険料を納付する必要はない。(国民年金の付加年金の保険料 納付している方は、国民年金基金に加入する際に市区町村の窓口に付加年金の保険料の納付を辞退する旨を届け出が必要。)
- ・国民年金の免除期間について追納を行った場合、加入後一定期間国民年金基金の掛金の上限が10万2,000円になる特例がある。
『国民年金基金に加入のメリット』
- ●終身年金が基本
- ・65歳から生涯受け取る終身年金が基本なので、長い老後の生活に備えることができる。
- ●年金額が確定、掛金額も一定
- ・掛金の支払いにより、将来受け取る年金額が確定する。
- ・加入時の掛金額は払込期間終了まで変わらない。(途中で口数を変更しない場合)
- ●税制上の優遇
- ・掛金は全額社会保険料控除の対象となる。
- ・受け取る年金も公的年金等控除の対象となる。
- ・遺族一時金は全額非課税。
- ●万が一のときには家族に一時金
- ・万が一早期に亡くなったとき、家族に遺族一時金が支給されるので、掛け捨てにはならない。(一部、給付のタイプを除く。)
- ●自由なプラン設計
- ・ライフプランに合わせ、年金額や受取期間を設定できる。
- ・加入後も年金・掛金の額を口数単位で増減できる。
- ・掛金を年度分前納すると、割引がある。
- ■注意事 :
- ・国民年金基金への加入は、国民年金の保険料を納付することが前提となる。(国民年金の保険料が納付されていない期間に国民年金基金に納付された掛金は還付される。)
- ・国民年金基金の加入者は、国民年金の付加年金の保険料を納付することができない。(ただし、国民年金基金制度は国民年金の付加年金を代行していることから、付加年金と同様の国庫負担がある。)
- ・国民年金基金への加入は任意であるが、いったん加入した場合、自分の都合で任意に脱退及び中途解約することはできない。(納付された掛金は、65歳又は60歳から年金として支給される。)